越後湯沢のボンネットバス(魚沼交通)
2025年06月28日

魚沼交通特注トミカ01

越後湯沢のボンネットバス(昭和34年式いすゞBX-341)は、新潟県南魚沼郡湯沢町に本社を置く土木建築などを行う「森下企業」 が所有する車両です。元々は愛媛県の「瀬戸内交通」で使われていた車両でしたが、2002年にその廃車体を広島県の「福山自動車時計博物館」が引き取り復 元開始、それが2004年4月に完成して往年の姿に蘇りました。その後2004年8月に湯沢町の観光振興という大役を担って越後湯沢にやってきました。
当初は白ナンバーで、車体には「森下企業」と書かれていましたが、程なく「森下企業」関連会社である「魚沼交通(現:ゆざわ魚沼タクシー株式会社)」が営業ナンバーを取得しました。これによって車体の表記も「森下企業」から「魚沼交通」に改められています。
ちなみに普段は越後湯沢駅前にある「森下企業」の関連会社「越後のお宿 いなもと」というホテルのエントランスに展示されているのだそうです。

そんな越後湯沢のボンネットバスがトミカになりました。


魚沼交通特注トミカ02

●越後湯沢のボンネットバス いすゞBX341
2005年8月12日発売、当時の定価は1000円(税別)。
地元ではカラーリングがとなりのトトロのネコバスに似ている事から「ネコバス」の愛称で呼ばれているのだとか。箱絵に実車の写真が使われていますが、それと比べるとトミカは全体的に色合いが濃いようです。もしかするとあえてネコバスに寄せたのかも知れませんね(笑)
トミカの金型は、実車とは微妙に違いますが、窓配置などは酷似しており、かなり実車に近い佇まいと言えましょう。
ちなみにカラーリングは、同じ「福山自動車時計博物館」で先にレストアされ、鞆鉄道に譲渡されたボンネットバスを踏襲しているようです。
オールタンポで方向幕は「湯沢」となっています。どうせなら箱絵と同じ「越後湯沢行き」にすれば良かった気もしますが、トミカの方向幕は実車と比べると幅が狭いので書ききれなかったのかも。それならせめて「越後湯沢」くらいは書けたと思うのですが。
ボディサイドにはマルーン系のラインの中に「魚沼交通」と書かれていますが、ちょっと見えにくいのが残念なところです。

魚沼交通特注トミカ03

箱はフルカラー印刷の専用箱で、側面には実車の説明が書かれています。また、裏面には発売元がミニカーショップイケダと 書かれていますが、当時のイケダのホームページには「いすゞボンネットバス 魚沼交通(新潟県湯沢町魚沼交通特注)」となっているので、特注元は「魚沼交通」です。イケダが窓口になって魚沼交通が特注したという事でしょう。
販売は全国のイケダ系ミニカーショップの他、魚沼交通本社内でも販売されました。


品番 車 名特注元
6-2-74越後湯沢のボンネットバス いすゞBX341魚沼交通

2004年10月に最大震度7という新潟中越地震が発生、湯沢町は震度4とそこまで大きな被害はなかったようですが、地震の風評被害やスキー人口の減少などで観光客誘客に苦戦するようになっていました。
そ んな中、2005年10月15日から2006年2月末まで、このボンネットバスを活用して湯沢町や南魚沼市を周遊する無料シャトルバス「越後雪国ロマンバ ス」が運行されるなど、観光振興に大いに活躍しました。ちょうどその頃にこのトミカも発売されたので、観光振興に一役買ったのかも知れませんね。


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