サンデン交通
2022年07月14日

サンデン交通特注トミカ01

サンデン交通は山口県下関市を中心にバス事業を展開する事業者です。元々は山陽電気軌道という軌道・鉄道事業者でしたが、1956年に鉄道線、1971年に軌道線が全廃された事に伴って、サンデン交通と社名を変更してバス事業者となりました。
そんなサンデン交通が2002年5月にトミカを特注しています。
一気に3種をリリースしましたが、今のところこの3種のみで終わっています。
当時の販売方法は不明ですが、恐らく現地での直販が有ったと思われます。その他に、ミニカーショップイケダでの取り扱いが有ったので、全国の主なミニカーショップでも買えたようです。
箱は通常品の赤箱と共通のデザインの専用箱で、当時の定価は各1000円(税別)だったようです。

サンデン交通特注トミカ02

●ふくふく号

トミカは1-4 三菱ふそうエアロクイーンをベースにサンデン交通の夜行高速バス「ふくふく号」を再現したものでした。
「ふくふく号」は下関〜大阪を結ぶサンデン交通初の夜行高速バスで1989年に運行開始、2013年に廃止になるまで24年に渡って運行されました。
さらに下関〜東京間に「ふくふく東京号」(1991〜2006年)、下関〜福岡間に「ふくふく天神号」(2001年〜)、下関〜広島間に「ふくふく広島号」(2002〜2007年)が投入され、大阪線は「ふくふく大阪号」と呼ばれるようになりました。
トミカは恐らく最初のふくふく号である「ふくふく大阪号」を再現したものと思われます。
路 線バスにも通ずる濃緑色をベースに、水色との2色で関門海峡のうず潮をイメージしたようなデザインが描かれていました。そこ下関名物のフグのイラストを大 きく配するという、なかなかユニークなデザインが面白いですね。トミカもそのデザインを忠実にオールタンポで再現しています。

サンデン交通特注トミカ04

●観光バス

トミカは41-4のいすゞ スーパーハイデッカーバスをベースに、サンデン交通が1997年から導入した観光・貸切車の新デザインをオールタンポで再現していました。前述の「ふくふく号」に描かれていたフグのイラストが観光・貸切車にも採用されているのが面白いですね。

サンデン交通特注トミカ04

●路線バス

トミカは79-3 三菱ふそうワンマンバスをベースに、サンデン交通の路線車を再現したものでした。
トミカ発売時の一般路線バスの塗装は、ベージュ色屋根/窓下オレンジ色帯、下部濃緑色にグレー色のストライプというものですが、トミカは白色屋根/窓下黄色帯/下部濃緑色に白色ストライプというものでした。
事業者の特注品なのに何故こんなに色が違ってしまったのでしょう。
リアはストライプや「S.D.K」の文字も手抜きなく再現されているのは良いですが、フロントの方向幕が再現されていないのは残念なところです。

品 番 商品名 ベース車名
1-4-28 サンデン交通ふくふく号 三菱ふそう エアロクイーン
41-4-52サンデン交通観光バスいすゞ スーパーハイデッカーバス
79-3-未サンデン交通路線バス三菱ふそう ワンマンバス

現在の特注バスの精密なタンポ印刷 を見慣れた目には、どうも物足りなさを感じてしまいますが、20年前は特注品もこの程度の再現性が普通でした。これでも当時は良く出来た方だったと思いま すが、この20年の時の流れの中で、知らず知らずに私たちの目が肥えてしまったのでしょうね(笑)
1970年、質素で素朴な感じが何とも魅力的だったトミカが、いつの間にか精密さを要求されるようになった、確かに進化では有るのかも知れませんが、当初のトミカの味わいとはかけ離れてしまった。これは有る意味恐ろしい事なのかも知れませんね。

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