トミカには単品の他にトミカ数台を詰め合わせたギフトセットという商品がありますが、この中にはかなりぶっ飛んだ企画のものが存在します。代表格は1982年の「トミカ喝徒飛競走車(かっとびれーさー)セット」でしょう。 そしてもうひとつ挙げるとすれば、今回ご紹介の「トミカアートトラックセット」ではないでしょうか。
アートトラックとはデコトラ(デコレーショントラック)とも呼ばれる、ステンレスやメッキ部品、電飾や荷台パネルの絵柄などで装飾を施したトラックで、古くは1960年代から存在していたようです。 このようなトラックが広く知られるようになるのは菅原文太・愛川欽也主演(共に故人)の映画「トラック野郎」シリーズ(1975〜1979)である事に異論はないと思います。この映画によってデコトラの第1次ブームが到来します。 そ
の後、1984年にはアートトラック専門誌「カミオン」(芸文社)が創刊、第2次デコトラブームが起こりますが、90年代以降は徐々に下火になって行く事
になります。それには警察の改造トラックの取り締まり強化や荷主が改造トラックを敬遠するようななったりと色々な要因が有ったと思います。しかし、アート
トラックが日本独特の車文化のひとつとして認知されたことは確かでしょう。
そんなトラックを題材にしたギフトセットが「トミカアートトラックセット」でした。 2000年5月の発売で、当時のトミカファンクラブ情報誌「トミカ ブーン」には「限定」と書かれているので、恐らく数量限定の1回生産だったと思われます。 当時の定価は1500円(税別)ですが、通常の4台入りギフトセットが1440円(税別)の時代に、専用パーツを使ったこのセットがプラス60円で手に入るとはなかなかリーズナブルな価格設定だったと思います。
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