アートトラックセット
2022年03月17日

トミカアートトラックセット01
トミカアートトラックセット02
トミカアートトラックセット03

トミカには単品の他にトミカ数台を詰め合わせたギフトセットという商品がありますが、この中にはかなりぶっ飛んだ企画のものが存在します。代表格は1982年の「トミカ喝徒飛競走車(かっとびれーさー)セット」でしょう。
そしてもうひとつ挙げるとすれば、今回ご紹介の「トミカアートトラックセット」ではないでしょうか。

アートトラックとはデコトラ(デコレーショントラック)とも呼ばれる、ステンレスやメッキ部品、電飾や荷台パネルの絵柄などで装飾を施したトラックで、古くは1960年代から存在していたようです。
このようなトラックが広く知られるようになるのは菅原文太・愛川欽也主演(共に故人)の映画「トラック野郎」シリーズ(1975〜1979)である事に異論はないと思います。この映画によってデコトラの第1次ブームが到来します。
そ の後、1984年にはアートトラック専門誌「カミオン」(芸文社)が創刊、第2次デコトラブームが起こりますが、90年代以降は徐々に下火になって行く事 になります。それには警察の改造トラックの取り締まり強化や荷主が改造トラックを敬遠するようななったりと色々な要因が有ったと思います。しかし、アート トラックが日本独特の車文化のひとつとして認知されたことは確かでしょう。

そんなトラックを題材にしたギフトセットが「トミカアートトラックセット」でした。
2000年5月の発売で、当時のトミカファンクラブ情報誌「トミカ ブーン」には「限定」と書かれているので、恐らく数量限定の1回生産だったと思われます。
当時の定価は1500円(税別)ですが、通常の4台入りギフトセットが1440円(税別)の時代に、専用パーツを使ったこのセットがプラス60円で手に入るとはなかなかリーズナブルな価格設定だったと思います。

トミカアートトラックセット04

●多美丸(とみーまる)

7-4 三菱ふそう スーパーグレート トラックをベースに、キャビンをメタリック紺色とし、キャビン上部のエアデフレクターは銀メッキとなっています。荷台は銀メッキで、上部には銀メッキの六角形ロケットパーツが付けられています。
銀メッキの荷台にはアートトラックでは定番の歌舞伎役者と思われる人物と牡丹の花が描かれたラベルが貼られています。さらに上面には「玩具街道まっしぐら」と書かれたラベルが貼られていますが、こんなところにトミカらしさが表現されています。

トミカアートトラックセット05

●闘美華丸(とみかまる)

7-4 三菱ふそう スーパーグレート トラックをベースに、キャビンを蛍光ピンクとし、キャビン上部にはこのセット専用にシートデッキパーツが奢られています。また、荷台上部には多美丸と同じ銀メッキの六角形ロケットパーツが付けられていました。
銀メッキの荷台にはアートトラックでは定番の竜が描かれたラベルが貼られています。また、上面には「親子の浪漫」と書かれたラベルが貼られていますが、これもトミカならではですね。

トミカアートトラックセット06

●流星特急(りゅうせいとっきゅう)

52-2 日野ドルフィン ダンプトラックをベースに、キャビンをメタリックブラックとし、キャビン上部には闘美華丸と同じシートデッキパーツが装着されていますが、カラーはブルーメッキに変更されていました。
また、ダンプ部全体が銀メッキ仕上げとなっていました。

トミカアートトラックセット07

●夜叉姫(やしゃひめ)

98-3 いすゞ エルフ パネルトラックをベースに、キャビンをメタリック紫とし、キャビン上部には闘美華丸と同じシートデッキパーツが装着されています。
銀メッキの荷台には、これまたアートトラックでは定番の花魁と思われる女性と桜の花と富士山が描かれたラベルが貼られています。上面には桜の花と「夢・玩具道」と書かれたラベルが貼られており、花魁が描かれながらもトミカが玩具である事を忘れていませんでした。
こ のエルフですが、98-3にシートデッキパーツが装着された状態での分類となっているようで、SP-14と分類されています。スーパーグレートトラックは シートデッキパーツ付きでも7-4に分類されているので統一性に欠けると思いますが、既に雑誌にSP-14と発表されているので、そちらの分類に沿ってい ます。

G-410 トミカアートトラックセット
品 番車 名
7-4-36多美丸(三菱ふそうスーパーグレートトラック)
7-4-37闘美華丸(三菱ふそうスーパーグレートトラック)
52-2-7流星特急(日野ドルフィンダンプトラック)
SP-14-1夜叉姫(いすゞエルフ保冷車)

「アートトラックセット」が発売された2000年当時でも、アートトラックは一部のイベントなどでは多数の個体が見られたでしょうが、街中では殆 ど見る事がなくなっていたと思います。なぜこの時期にこのセットが発売されたのかは謎ですが、トミカの歴史に残るセットであることは確かだと思います。
と ころで、この種の車両は「アートトラック」というより「デコトラ」といった方が通りが良いと思いますが、実はこの「デコトラ」は青島文化教材社が1976 年にデコレーショントラックのプラモデルを発売するにあたって作られた造語で、同社の登録商標になっています。そのため模型や玩具などのカテゴリーでは他 社が「デコトラ」という名称を使用することが出来ないので、トミカも「アートトラック」という名前になったのでしょう。世の中いろいろな事情が有るもので すね。

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