ブリタニカ×トミカ
2021年05月06日

ブリタニカ×トミカ01

「ブリタニカ百科事典」は英語の百科事典では最古のもので、その歴史は1768年まで遡ります。日本ではブリタニカ国際大百科事典という名称で 1972年に日本語版の初版第一回配本が始りました。1975年に初版の全巻の配本が終わっていますが、それと並行して「FIRST STEPS IN ENGLISH」という子供向けの英語教材が販売されました。
その教材で使うものなのか、それとも購入特典で配布されたものなのか、詳しい経緯は判りませんが「乗り物遊びに使うおもちゃ」というセットが存在します。
ブリタニカ製のミニカーなどが入った紙箱のセットはオークションなどで良く見掛けますが、これとは違ってトミカがセットされたセットが存在するのをごご存知でしょうか。

ブリタニカ×トミカ02

「FIRST STEPS IN ENGLISH TRANSPORTATION 乗り物遊びに使うおもちゃ 自動車 電車 バス ボート 飛行機」
と言うもので、5種類の乗り物が黄色のビニールとプラスチックで出来たブック型のケースに入ったセットでした。
それではセット内容を詳しく見て行きましょう。

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●自動車
トミカ 14-1 ローレル2000GXの1Eホイールなので14-1-3となります。
通常品は1971年5月〜1975年2月まで生産されましたが、これは比較的初期の製品でしょう。

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●バス
トミカ 41-1 三菱ふそう 東名高速バスで、1Eホイール、裏板刻みあり、1974刻印無し、角形ラベルなので41-1-3となります。
通常品は1972年5月〜1976年12月まで生産されましたが、これも比較的初期の製品でしょう。

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●ボート
トミカ 71-1 ヤマハ・ボートのボート部のみで、白/山吹の通常品初期カラーとなっています。船外機部分は折取られていますが、収納ケースにも船外機の収まる窪みがないので、このセット特有の仕様なのでしょう。
通常品は1973年7月〜1978年4月まで生産されましたが、ボートの色から見て初期製品でしょう。

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●電車
プラレールの「かいそくでんしゃ」で両運転台仕様なので、1971年の発売から1973年頃の製品と思われます。動力を持たない中間車(後尾車)ですが、連結器は外されています。収納ケースにも連結器の入る窪みがないので、元々連結器が無い仕様なのでしょう。
プラレールは専門外ですが、角ばった窓の形状から初期型ではなさそうなので1973年頃の製品ではないでしょうか。

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●飛行機
バックマン(BACHMANN)という鐡道模型メーカーのプラ製ボーイング727で、香港製となっています。
機体のデザインはユナイテッド航空が1960年代に使用していたもののようで、全てシールでの再現となっています。プラ製ながら脚が格納式になっているのはなかなかの優れものです。
バッ クマン社は70年代にトミーと提携してNゲージの鉄道模型「トミーナインスケール」シリーズなどの生産を受け持っていましたが、トミーはバックマン社のミ ニプレーンシリーズを輸入して「トミー ミニプレーンシリーズ」として国内で販売しており、この727もその製品のひとつでした。

ブリタニカ 乗り物遊びに使うおもちゃ
品番 車  名
14-1-3ニッサン ローレル 2000GX
41-1-3三菱ふそう 東名高速バス
71-1-未ヤマハ・ボート
── プラレール かいそくでんしゃ
──ミニプレーン ボーイング727

これらの詰め合わせ内容からすると、間違いなくトミーが全ての乗り物を供給したことが判ります。
1973年頃に作られたものと推測出来ますが、トミカもプラレールもどれも通常品とは言え、今となっては貴重なものがセットされていますね。
トミカの長い歴史の中で、決して表舞台に出る事はないものが存在しますが、こういうものを発掘するのもコレクションの醍醐味と言えるのではないでしょうか。

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