ウルトラカーウォッシャー
2019年10月03日

トミカウルトラカーウォッシャー01

今回はトミカの車両ではなく、トミカワールド商品を取り上げてみたいと思います。
トミーは早くからプラスチックの製造技術を研究しており、その製造技術を生かして1970年の
トミカ発売以前から小スケールミニカー向けのパーキングなどの商品を、主にアメリカ向けに輸出していました。
トミカの発売時には、それらの輸出向け商品を
「ミニカーワールドシリーズ」という名称で国内にも投入しましたが、1972年からは「トミカワールドシリーズ」と名前を変えて、本格的なトミカのプレイ商品に位置づけられました。
それからトミカビルを始めとする数々の名作を生み出して来ましたが、中には驚くようなワールド商品も登場しています。
そんな中から、トミカに水を吹きかけて洗車してしまうという、「トミカ ウルトラカーウォッシャー」をご紹介したいと思います。

トミカウルトラカーウォッシャー02

「トミカ ウルトラカーウォッシャー」は1991年に発売されました。当時の定価は3000円(税別)でした。
「本物みたいな洗車場。キミのトミカも洗っちゃおう。」と言うキャッチフレーズ通り、洗車場に入るとベルトコンベアーに乗って、水スプレー、洗車、乾燥の工程をこなしてくれる優れものでした(笑)


トミカウルトラカーウォッシャー03

向かって右側のスロープから洗車場に進入します。
スロープを登ってベルトコンベアーに乗ったらハンドルを回してベルトコンベアースタート!

●水スプレー工程
最初の青色のゲートの下には水タンクが仕込まれており、ゲートの向こう側にある注水口からジョウロを使って水を入れておきます。
ベルトコンベアーに乗ったトミカが青いゲートの下に入ったら、手前のボタンをピコピコと数回押すと、空気圧で青いゲートの上部から水が噴射されます。

トミカウルトラカーウォッシャー04

●洗車工程
さらに濡れたトミカをベルトコンベアーで進めると、左右と上部の3個のスポンジで洗車工程です。
トミカのサイズ感が良ければスポンジが回転しますが、洗車とまではいきませんね(笑)

トミカウルトラカーウォッシャー05

●乾燥工程
最後は円形の「回転乾燥ルーム」です。ここにベルトコンベアーで運ばれたトミカが入ってきたら、上部のつまみを勢いよく回す事によって、水を弾き飛ばします。
乾燥工程が終了したら、ゲートを開くと出口スロープからトミカが滑り出ます。

電池を使わず全て手動で動かす、なかなかエコな洗車場、いかがでしたか?
「キミのトミカも洗っちゃおう」の誘いに水でじゃぶじゃぶにしたお子様も居た事でしょうが、流石にこれでトミカを洗おうというコレクターは居なかったでしょうね(笑)

トミカウルトラカーウォッシャー06

ところでこの商品、トミーのオリジナルではなくマッチボックスの製品でした。
原型となる「Super Spin CAR WASH」は80年代初頭には登場していたようですが、その後モデルチェンジされて今回のウルトラカーウォッシャーの形になりました。彼の国では古くからミニカーを水洗いする遊びが行われていたんですね(笑)

ウルトラカーウォッシャーは1994年頃まで販売されていたようですが、果してどのくらい売れたのでしょうか?
数あるトミカワールド商品の中でも、まさに「迷作」のひとつ数えられるのではないでしょうか。

※お仲間からの情報により一部加筆修正しました。(2019.10.4)

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