■■トミカ豆知識■■
●トミカ
株式会社タカラトミ−が発売する小スケールミニカー。
子供の手のひらに載るサイズというコンセプトで全長7.5cm程度が基本となっている。
1970年8月に6車種でスタート。年々車種を増やし、現在は120車種体制。
現在までの発売車種は600種程にのぼる。細かな仕様の違いであるバリエーションは9,000種程度と言われている。
派生として、マスコミトミカシリーズ、トミカダンディシリーズ、ロングトミカシリーズ、コンバットトミカシリーズ、スカイトミカシリーズ、トミカトレインシリーズ、B/Oトミカシリーズ、サイレントミカシリーズ、音の出るトミカシリーズ、トミカリミテッドSシリーズなどもかつては存在した。
現在は本家トミカシリーズの他に、トミカリミテッドシリーズ、トミカリミテッド・ヴィンテージシリーズ(株式会社トミ−テック扱い)モータートミカシリーズ、おしゃべりトミカシリーズがある。
また、カプセル玩具のカプセルトミカ、トミカJr.(株式会社ユージン扱い)も販売されている。
●バリエーション
トミカにおけるバリエーションとは、同一車種における仕様の違いである。車体色の赤と青といったような誰でもわかるものから、判断が非常に難しい細かな違いまで色々である。車体色でも微妙な違いもあり、双方を所有しないとわからないような物も存在する。トミカの場合はホイールにバリエーションが多いのも特徴のひとつと言って良いだろう。現在までの総バリエーション数は9,000種程度と言われているが、日々増殖中である。
●箱について
トミカの通常品には大きく分けて、3種類の箱が存在するが、コレクターの間では、箱も重要なアイテムになっている。
発売から1982年頃までの黒と黄色でデザインされた『黒箱』、1976年から1988年まで生産された外国車シリーズの青と白でデザインされた『青箱』、1982年頃から現在まで続く、赤と白でデザインされた『赤箱』がある。この3種の箱にはバーコードの有るものと無い物が存在する。
また、この流れの中で、『黒箱』から『赤箱』に変更されて継続生産された物も32種類確認されている。
『赤箱』には数種類あって、初期は裏面に実車の諸元表がついている。その後裏面にバーコードが付いた為、諸元表は箱上面に移った。更に諸元が無くなってからも数種類のパターンが確認されている。
また『赤箱』は日本製と中国製があるが、日本製は箱正面の箱番号上に「日本製」の表記がある。ごく一部この表記が無い日本製も存在するが、箱裏面のMade in Japanで判断出来る。
この他に、釣り下げ販売用のブリスターパックと呼ばれる透明の樹脂を成形したものの中にトミカを入れ、台紙に張り付けたものも、かなり古くから存在するが、コレクターにはイマイチ人気がないようだ。
ただ、厄介な事にブリスターパックのみで発売されたバリエーションが存在する。どのような物が有ったかは、メーカーから公式なアナウンスが有った訳ではないので、確実な所は判らない。
●古い箱等に印刷されているT-○○って何?
トミカの黒箱、青箱の蓋の部分や、初期の赤箱の裏面にT-23のようなT番号が印刷されています。
古いギフトセットやブリスターパックの裏面にもこの番号が有ります。いったいこの番号は何を表しているのでしょう?
トミーの歴史を遡ると、株式会社組織となったのは1953(昭和28)年の三陽工業株式会社が最初となります。
1963(昭和38)年には三陽工業の製造部門がトミー工業株式会社と商号変更しています。その後は省略しますが、会社としては1953(昭和28)年12月が第1期決算となっています。
そしてこの決算期こそが、箱のT番号とリンクしている事が判りました。
トミー工業(三陽工業)決算期d> |
期 |
昭和28年 |
1953年12月 |
1953.1〜1953.12 |
1 |
中 略 |
昭和46年 |
1971年9月 |
1970.10〜1971.9 |
19 |
昭和47年 |
1972年9月 |
1971.10〜1972.9 |
20 |
昭和48年 |
1973年9月 |
1972.10〜1973.9 |
21 |
昭和49年 |
1974年9月 |
1973.10〜1974.9 |
22 |
昭和50年 |
1975年9月 |
1974.10〜1975.9 |
23 |
昭和51年 |
1976年2月 |
1975.10〜1976.2 |
24 |
昭和52年 |
1977年2月 |
1976.3〜1977.2 |
25 |
昭和53年 |
1978年2月 |
1977.3〜1978.2 |
26 |
|
トミー工業 決算期 |
期 |
昭和54年 |
1979年2月 |
1978.3〜1979.2 |
27 |
昭和55年 |
1980年2月 |
1979.3〜1980.2 |
28 |
昭和56年 |
1981年2月 |
1980.3〜1981.2 |
29 |
昭和57年 |
1982年2月 |
1981.3〜1982.2 |
30 |
昭和58年 |
1983年2月 |
1982.3〜1983.2 |
31 |
昭和59年 |
1984年2月 |
1983.3〜1984.2 |
32 |
昭和60年 |
1985年2月 |
1984.3〜1985.2 |
33 |
昭和61年 |
1986年2月 |
1985.3〜1986.2 |
34 |
昭和62年 |
1987年2月 |
1986.3〜1987.2 |
35 |
昭和63年 |
1988年2月 |
1987.3〜1988.2 |
36 |
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※上表の1953(昭和28年)のみ三陽工業
※1956(昭和31年)の4期より決算月を9月に変更
※1976(昭和51)年の24期より決算月を2月に変更
たとえばT-33なら33期(1984.3〜1985.2)製造と言う事になります。
製造時期なので実際の発売時期と多少異なる事も有るかもしれません。 私が確認したところではこの番号はT-19〜T-36まで有るようです。
ちなみに香港製はTH-1とTH-2を確認しましたが、海外子会社のトミー香港の決算期にリンクしているようです。
トミー香港 決算期 |
期 |
昭和46年 |
1971年9月 |
1970.8〜1971.9 |
1 |
昭和47年 |
1972年9月 |
1971.10〜1972.9 |
2 |
以上、あくまで私の推測ですが、これで辻褄が合うように思います。
ただし、箱と中身が入れ替えられたりする事も有るので、その辺は考慮する必要があるかもしれません。
参考資料:トミー75年史(株式会社トミー 平成12年7月発行)
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