株式店頭公開
2010年02月25日

今週はトミーが株式を店頭公開した記念に作られたトミカをご紹介します。

株式会社トミーは、平成9(1997)年9月16日に念願の株式店頭公開を果たしますが、これを記念して同月に株主に配布されたのが「株式店頭公開記念」セットでした。

20-7 日産スカイラインGT-R(R33)と33-6 トヨタ スープラの2台が専用の化粧箱に収められていました。共にブロンズメッキ仕上げで、ボンネットに「TOMY」の赤タンポ、左右のドアに「株式公開記念」と「'97」の黒タンポが入っていました。

後に、同タイプの化粧箱に入れられた東証二部上場記念の銀メッキトミカ、東証一部上場記念の金メッキトミカが出ましたが、店頭公開から銅、銀、金と予定が組まれていたのでしょうね。

店頭公開時点では株主の数も限られていたので、最近の株主優待セットなどと比べると、製作数もかなり少なかったと考えれられますので、今となっては希少なセットと言えましょう。

 解 説

トミーは株式会社組織としては、昭和28(1953)年に三陽工業株式会社を設立。昭和34(1959)年には販売部門が富山商事株式会社として独立し、三陽工業は製造部門となります。
昭和38(1963)年には三陽工業株式会社がトミー工業株式会社へ、富山商事株式会社が株式会社トミーへとそれぞれ商号変更。
平成元(1989)年にこの2社が合併して株式会社トミーとなり、製造販売を一貫して行う体制になります。

株式会社組織でありましたが、長らく株式の公開はしていませんでした。平成2(1990)年に株式店頭公開を目指すプロジェクト「P70」が発足。創業70周年の平成6(1994)年2月の株式店頭公開を目指しますが、おりしもバブル崩壊のあおりで、全ての店頭登録が凍結され、再開後も登録企業数が大幅に制限されてしまいます。そんな中、トミーも業績が悪化して平成6(1994)年の店頭公開を断念せざるを得ないと言う事態に陥りました。

再度の株式店頭公開に向けての準備は平成8(1996)年9月に結成された「WIN-21プロジェクト」によって進められました。ちょうどその直後に店頭公開基準の緩和もあり、プロジェクト開始から1年後の平成9(1997)年9月16日に念願の店頭公開を果たしました。

その後、平成11(1999)年3月15日には東証二部上場、平成12(2000)年3月1日には東証一部上場を果たしています。

現在は平成18(2006)年3月1日に株式会社タカラと合併して、株式会社タカラトミーとなっているのは周知の通りです。

※参考資料:トミー75年史 真の国際優良企業を目指して(株式会社トミー 平成12年7月発行)


品 番 車 名
20-7-59 日産スカイラインGT-R(R33)
33-6-9 トヨタ スープラ