メーカーズマーク
2015年11月19日

メーカーズマークトミカ01

基本的に対象年齢3歳からのトミカは、もちろんメインターゲットはお子様であることは間違いあ りません。
ところが、世の中には色々なトミカが有るもので、何とお酒のノベルティとして配布されたものが存在します。トミカの中でもかなり異色と言えるのではないで しょうか。

メーカーズマークトミカ02

それは、メーカーズマークというアメリカのバーボンウイスキーを買うと、1本に1台トミカが付いて来たというもので、このキャンペーンが行われた年代は正確には判りませんでした。恐 らく90年代の後半だったと思われます。
販売ルートは、当然ですが酒屋さん系統でしょう。当時メーカーズマークの輸入販売を行っていた明治屋の本店(東京京橋)で扱っていた事は、森永卓郎氏の著 書「ミニカーからすべてを学んだ」に書かれていますが、このキャンペーンが全国 的なものだったのかどうかまでは判りません。
何れにせよ、ミニカーショップなどとは全く縁のないルートだったため、当時のコレクターでも「知る人ぞ知る」といった存在だったようです。
今と違ってネットもまだまだ普及していない時代ですから、情報も殆ど流れなかったようです。

トミカは、F52-1 パッカード クーペ ロードスターで、艶消しブラックのボディに金グリル、左右ドア部に「Maker's Mark」とロゴマークが、トランクリッドにもロゴマークが金色でタンポ印刷されていました。トミカとしては、かなり「渋い」仕上がりですね。

メーカーズマークトミカ03

箱はクリアケースで、中に赤い台紙が入っていましたが、単なる赤色の紙ではなく、片面が植毛仕上で表面がビロード調となっており、高級感のあるものとなっ ています。
台紙の左上には黒地に金文字で「Maker's Mark」とロゴマークの入ったラベルが貼られていました。因みに台紙の裏面には何も書かれていません。

パッカード クーペ ロードスターは1978年に青箱F52として発売されましたが、オリジナルモデル以外にバリエーションが全く有りませんでした。20年近く経って初のバリ エーションが登場したというのも珍しいかも知れません。

資料ではメーカーズ特注となっていますが、メーカーズマークは当時「明治屋」が輸入販売していたので、明治屋特注とした方が良いかも知れませんね。

ところで、メーカーズマークのロゴマークですが、Sは創業者のビル・サミュエル・シニアのサミュエルの頭文字、☆は所在地のスターヒル・ファーム、Wは創業 者が4代目である事、まわりを囲む円が途切れているのは禁酒法などの為に生産出来なかった時期がある事を表しているんだそうです。

品番 車 名 備考
F52-1-2
パッカード クーペ ロードスター メーカーズ(明治屋)特注

どれくらいの数が作られたのかは判りませんが、現在の流通量はかなり少ないように感じます。ネット上でもこのトミカに関する記述は殆ど見つかりません。
ミニカーとは縁の無い人に買われた方が多かったでしょうから、引き出しの隅に忘れられたり、捨てられたり、子供の玩具になったりした物が大多数だったのか も知れませんね。
ある意味、日の目を見なかったトミカなのかも知れません。